
2025.04.30
オープンデイによせて 感謝の想いを 紡いでゆきたい
学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.208 2025.4.30
雄大で美しい自然の藤野。今年もあたたかい風で包まれています。藤野の地に根ざし4度目の春がやってきました。
学園の存在を知り、ここに来たいと願い、でも条件が合わず、諦めきれず、真剣に悩み、心一杯に悩み、移住を決心した私たち。その葛藤を今も鮮明に覚えています。
悩んでいた私たちを導いてくれたのは、学園の催しでした。説明会や体験授業、学期祭やマルシェ、移住ツアー、催事のほとんどに参加していました。体験することが自分の感覚を問う機会だと思い、自分自身に問いかけていたのです。発表や体験授業には心から感動し、この地の人のあたたかさに出逢い、それでも目の前の難しい問題にめげそうになりながらも、自分の心に素直になりたいと、心の真実を貫く勇気をもち、決意に繋がりました。
催しで出会った、はじめましての方と心を交わし、共感し、やってゆけるかもしれないと、勇気をもらったことを忘れもしません。
移住することは、誰しも簡単なことではないと思います。住み慣れた環境、家族も家もあり、責任ある親の身で、大きく道を変える決心は、奮い立つ勇気が必要でした。ネット情報では得られない、心揺さぶられる感動が、私たちの原動力となったのです。言葉にならない、感謝の記憶です。
5月24日(土)にはオープンデイが開催されます。
催しには常連の来場者となっていた私。今、スタッフとしてお迎えする側となり、準備を進めています。
貴重な体験授業をはじめ、教育や移住の紹介、子ども達の発表の場、保護者お手製のスープとパン、カフェ、手仕事の数々、特設の遊び場など、教師も保護者も総出でお迎えします。どれもこれも、心で感じてほしい体験ばかりです。
学園を知りたいと願い、来てくださる方々に思う存分体験して頂けるよう、子連れの方も安心できるよう、大勢のスタッフが想いをよせて動いています。
様々な分担がある中、私は、校舎の入り口看板を作りました。作るにしても…ぐるりと自然に囲まれた藤野。便利なものは簡単に手に入らない…だからこその工夫ができる。それは藤野の環境の最大の良いところだと私は思うのです。みんな、暮らしに工夫をこらし、人と人があたたかな繋がりを育みます。
あたりをキョロキョロし、自然の材料、山の蔓を巻き、布を染め、藤野の草花で飾る。あるものを生かし、来てくださる方を想い形にします。便利なものが手に入らないからこそ、自分で考え創ってみる力、自然と対話する喜び、相手を想う心が、身につくように感じます。それは、人として幸せなことだと思うのです。
そんなこんなで、自然たっぷりのリースの看板ができました。校舎入口3箇所でお迎えしますので探してみてくださいね。
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家族で歩む道を模索し、今ここに。
体験を通してあたたかな世界に触れ、この愛の中で子育てをしたい、共に、感じ、育ちあい、喜びあいたい…と今も想うのです。
ここに辿り着いたことの感謝の想いを、私にできる一つひとつを、紡いでゆけたらと願いをこめて。このオープンデイも、小さな愛があつまり、あたたかな風となり、大きな未来へ羽ばたく架け橋になれたら嬉しいです。
世界がひろがる感動が、お土産です。
どなた様も、おまちしております。
ライター/学園保護者 大曽根佳美